お母さん教室
2月
第3回 お母さん教室ご報告 【開催日】 2017年2月9日 参加された方 【先生】 牧野先生、鈴木先生、鈴村先生、森林先生 【お母さん】 14名 お子様2名 前回のお母さん教室の続きである、牧野クラスのOB八代恵美子さんの、 約8か月後(3歳6か月頃)のご家庭での、お母さまとのヴァイオリンの お稽古の様子を、拝見させて頂きました。 その後、恵美子さんの弾く卒業曲ゴセック作曲ガボットの録音テープと、 夏期学校でサラサーテ作曲チゴイネルワイゼンを演奏されているテープを 聞かせて頂きました。 前回拝見したお稽古の様子から、8か月後のお稽古でしたが、 ゴセックのガボットまでの復習曲のお稽古から、 今回拝見したDVDは始まりました。 “きらきら星”“アレグロ”“メヌエットno.2”の復習曲を、恵美子さんが弾き、 部分練習が始まります。お手本のCDを「よく聞いてね」と お母様の言葉がけ、すぐにカセットテープの再生、「さんはい」の お母様の言葉がけで、恵美子さんが弾く。とテンポのいい一連の流れが 繰り返されて、最後には「先生の音と同じだった?」「もう一回聞いてね」 という必ずお母様の声掛けと一緒に何度も何度も根気強く、 お稽古されているのがとても印象的でした。 一曲のお稽古の時間が長くなるにつれて、お母様の声掛けの頻度は増え、 恵美子さんの集中力の限りが見えてこれば、フラフラしてしまう 恵美子さんの足元に積み木を並べ、一曲弾くごとに積み木を重ねて、 恵美子さんが動くと積み木が崩れてしまうように工夫し、 しっかりと立ってお稽古を受けられるようにするなど、 今回拝見したお稽古もお母さまのアイディアにあふれた様子が 映し出されていました。 お稽古の様子を見た後、参加されたお母さん方と感想を述べあいました。 その時多くのお母さん達から 「恵美子さん自身が音と向き合うお稽古の構成になっている」 という感想が出ました。繰り返し行う部分練習でも、お母様が良し悪しを 決めるのではなく、恵美子さんに「素敵でしたか?」と尋ね、 自分の出した音の評価を自分で下す。 あるお稽古の風景で恵美子さんの弾かれた音にお母様が「どうでしたか?」 と聞かれた言葉に、恵美子さんは「良かったです」と答えられました。 その時の音にお母様は満足していなかったようでしたが、 恵美子さんの答えに「恵美ちゃんが言うならそうしましょう」と 答えているシーンがありました。 はたから見ているにはとても微笑ましい光景でしたが、 実際わが子のお稽古だとこうもいかないだろう…と お母様の矛盾のない一貫した態度に感銘を受けました。 ほかにも「参考にしたいと思うようなアイディアが今回も沢山ありました」 というお母さんに、牧野先生が「楽しいお稽古がいいですね。積み重ねも、 ただ積み重ねるだけでなく、どこへもっていきたいのかお母さんが見えていると、一貫した態度になる。だからお母さんとのお稽古がとても楽しそう」 と仰いました。 スズキメソードでは、音楽を通して身に着けてもらいたいものがあるので あって、難しい曲を上手に弾かせることだけがゴールではない。どういう子 に育ってほしいのか、まで見据えて一貫した思いと態度で、向き合うことが 大切なのだと改めて思いました。 最後になりましたが、恵美子さんのガボットの卒業録音テープと、 夏期学校の舞台で弾かれたチゴイネルワイゼンともに聴かせていただいた後 お母さん達から感嘆の声が上がるほど素晴らしい演奏でした。 「毎日の慌ただしい生活の中でも、子どもと向き合い関わっている時間は 限りがあり、だからこそ、有意義な時間にしていきたい」と、 今回のお母さん教室も一人一人のお母さんが前向きな気持ちになれた 有意義な時間を過ごすことができました。 “愛 深ければ なすこと多し” という鈴木 鎮一先生のお言葉が思い出され、心が暖かくなりました。 次回、第4回お母さん教室は4月頃を予定しております。 子育てをしていらっしゃるお母様方、 お母さん教室から、我が子に最良の環境を一緒に見つけていきませんか? 栄教室 各クラスでも随時お稽古の様子を見学していただけますので、 ぜひお越しください。
12月
【開催日】 2016年11月30日 参加された方 【先生】 牧野先生、鈴木先生、鈴村先生、森林先生 【お母さん】 13名 牧野クラスOB八代恵美子さんの幼少の頃(2歳10ヶ月)の 家庭でのお母さまとのヴァイオリンお稽古の様子が記録されたDVDを 参加者全員で鑑賞させて頂きました。 就学前の集中力に限りのある幼児だった(当時2歳の)恵美子さんに対し 一貫して常に落ち着いた言動のお母さまが 初歩のキラキラ星を丁寧にお稽古される様子が映っていました。 時に一挙一動を正確に訂正し、頑張って出来た時はしっかり褒める。 集中力も途切れ動き回る等の時には、 恵美子さん(当時2歳)が大好きなスヌーピーの縫いぐるみを登場させて 素敵な音を聴きたがってるよ等の工夫を凝らす。 いつまでも続けるのではなく子供の様子を見ながら「ここまで」を見極める。 毎日の積み重ねで幼児といえど、しっかりした音で弾く様になる。 ある日のお稽古の場面では、 当時小学校高学年と思われる姉の真紀子さんが 見事な音でプニャーニの様式による前奏曲とアレグロを暗譜で弾く傍らで、 幼い恵美子さんが分からないなりにも近付く様に音を出す。 スズキメソードの特徴であり大事とする 「グループで育つ」は既に家庭からも始められる感。 鑑賞後、参加者一人一人が感想を述べました。 初めてこのDVDを鑑賞した方々は、お母様の常に一貫した忍耐強いお稽古に驚き 自身のお稽古の反省や今日から思いを新たに等のお声が。 数十年前の映像は当時の技術上、人物の表情さえハッキリ見えない部分もありましたが、ヴァイオリンの音は現在より遥かに力強く心に残る音でした。音質の違いは?の質問に、牧野先生は「やはりクライスラー等の大家の音を良く聴かせてみえたのではないでしょうか。」とお答えに。他にも直接ご指導された視点からの貴重なご意見を賜りました。 当時と今では取り巻く社会や学校生活も違い、まして各家庭の事情や状況も違う。 今は子供達も塾や習い事をかけもちしている場合もあり、身体的にも忙しい。母親自身も仕事をしながらの毎日の場合でも同様。同じ事(恵美子さん親子のお稽古、早朝から短時間一区切りを1日数コマ)は難しく真似し難いが、やはり育てたように子は育つ。 恵美子さんのお母様の場合、優しい言動の中にも不動心の厳しさがあり、 ここまではしっかりやらなければならない雰囲気も子供達に伝わっていたそうです。 しかし、お稽古の途中で泣き出したら、様子によっては「そこまで」とする。そこから先の無理強いは親の満足でしかなくなる場合もあり。様々な工夫がされていたそうです。 最後に参加者に牧野先生から 「親が自分に出来る事に信念をもって毎日我が子と向き合う事が大切。」 といただきました。 工夫して良い環境を自ら作る事でどの子も立派に育つ。 スズキメソードは、ただヴァイオリンを弾けるようにする為ではなく 一つのことをやり遂げる力を身に付けさせる教育です。 今回鑑賞させていただいたDVDに登場した恵美子さんは福祉の分野に 姉の真紀子さんは国連で、それぞれにご活躍されていらっしゃいます。 以上、参加者方々からは(フルタイムでお仕事をお持ちの方も) 「生きる事に精一杯の毎日ですが、この鑑賞、勉強会を機に今後の毎日の家庭でのお稽古に繋げたい」など、共感を呼ぶ有意義な第2回お母さん教室でした。 次回、第3回お母さん教室は2017年1月後半~2月頃を予定しております。 未入会の皆様、幼児をお連れの方々も大歓迎です。 お母さん教室から我が子の最良の環境を一緒に見つけませんか? 栄教室でお待ちしております。 栄教室各クラスでも随時お稽古の様子を見学出来ますので 事前に各先生へご連絡の上、お越しください。
10月
第一回お母さん教室ご報告 【開催日】 2016年9月30日 参加された方 【先生】 牧野先生、鈴木先生、鈴村先生、森林先生 國分先生(東名古屋支部)、降旗先生(松本から) 【お母さん】 14名うち1名が未会員で2歳半の男の子を連れて、サイトを見て来てくださいました。 牧野先生が「音にいのち在り」という本から鈴木鎮一先生の言葉を読んでくださり、 「褒める!怒る!叱る!」について、怒るとどうなるのか、叱るとどうなるのか、 などのお話がありました。 参加されたお母さん皆さんに、大なり小なり叱ったり、怒ったりした経験があり、 皆さんの経験談を聞くことができ、殆どのお母さんが覚えがあるやら反省やらで、 大きく頷いて経験談を聞いておられました。 子供が怒って対応できない時、親は怒らずに先ず引く。 でも、お稽古はちゃんと認めてあげる。 怒ると叱るの境目を意識すると良いですよ、とお言葉を頂戴しました。 また、CD等、音楽の聴かせ方について 先生からどのように取り組まれているか問いかけがありました。 *朝起きてくる前から寝るまで、また寝付いてからも暫くは小さな音でかけている。 *兄弟で当番制にして朝デッキのスイッチをつけに行く。 *勉強中は消している。 *車での移動中には必ず聴かせる。 *音楽を流していると嫌がる・・・等々。 ご家庭によって様々な状況で興味深かったです。 先生方の結論として、聴かせれば聴かせるほど良い!ということでした。 ただ、単なるBGMになってしまいがちなので、聴かせる工夫も必要とのことです。 先生方は、 小さい頃かかっていた音楽はやはり今でも好き! お母さんの好きだった景色や音楽は、気付けば自分も好き! と、思い出を語ってくださいました。 先生方が仰るには、 ヴァイオリンだけでなく、 生活の中で自然と芸術的なセンスが身につく事が何よりの環境であり、 日頃、教本の音源に囚われ過ぎる傾向があるので、もっと広げて 母親が自分で楽しんで好きな演奏家や好きな音楽を探す楽しみを身につけて欲しい。 生の演奏も機会をみつけて聴くのも大事ですよ、と為になるヒントを沢山戴けました。 最後に、 毎日のお稽古も含めて子育ては大変ですね!でも、大変な時ほど楽しいんですよ! と心に沁みるお言葉を戴きました。 先生方の幼少期のレッスンのお話まで伺え、とても学びの多いお母さん教室でした。 そして・・・ 心を入れ替えてこれからは叱らないで子供と向き合おう! と心に誓いました。